未来永劫語り継ぎたい【中世のビール史】!?
古代ギリシャやローマの時代にはお酒といえばワインで、ビールは下等な飲み物という位置づけでしたが、紀元前800年ごろに現在の製法に共通するビールがゲルマン人によって作られていました。
ドイツのお話
時は流れ紀元400~500年ごろ、ゲルマン民族の大移動によりヨーロッパ各地でビール作りが広まっていきました。
ドイツではフランク国王のカール大帝により、ワインに対して見下されていたビールの地位が向上します。その醸造の中心を担う役割だったのが修道院で、巡礼者に飲ませたり、断食の時の栄養源として飲んでいたのだとか。断食中にビール飲んでいいなんて、ずいぶんハッピーな断食ですね(笑)
のちに現在も『ドイツビールの日』でも知られる1516年4月23日に、バイエルンのヴィルヘルム4世により、『ビール純粋令』が発布。これは【ビールは大麦、ホップ、水のみによって造られるべし】という、頑固一徹な法律。途中から酵母も加えられるようになりましたが、国内の醸造所はいまだにビール純粋令を守ってます。純粋すぎる。
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スイスのお話
スイスのザンクトガレン修道院ではビール作りの各工程ごとに部屋を分けるなど、1000年以上前から現在に近い工場設計でした。あの神奈川の「サンクトガーレン」がここから名前をとったのも、この修道院が世界ではじめて醸造免許を獲得した場所だからだそうです。
このサンクトガーレン地ビールブーム時代から、こつこつ業界をけん引してきたブルワーさんで、金賞もバシバシ獲得してます。4種類すべて受賞のセット↓
ちなみに1500年ごろまで、ビール作りはパン作りと共に女性の仕事とされていて、嫁入り道具の一つになんとビール釜があったそうです。ビール釜をかついで嫁いでいくなんて、なかなかの絵面だと思いません?
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イギリスのお話
イギリスではキリスト教の広がりと共に教会がたち、その周りに巡礼者のための居酒屋や宿泊所が立ち並びました。このころ、女性は家事としてビールを作り、居酒屋の女将は『エールワイフ』と呼ばれ、特にうまいビールを作るエールワイフに人気が集まっていたんだそう。
めちゃくちゃ脱線しますが、異世界転移系の作品でエールワイフを題材にした、けしからんラノベも御座います、いい意味で↓(半分はビールについて真面目なストーリー展開。)
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ちなみにビールは結婚式の祝い酒にもなっていて、花嫁のエール(ブライド・エール)が語源になってブライダルという言葉ができたんだとか。
15世紀に入りホップ入りのビールが輸入されるようになると、ホップ入りのものを『ビール』、それ以外を『エール』と区別するようになりました。それから200年近く経ち、イギリスでは麦芽に課税されるようになると、ようやくホップが普及するようになりました。
これを機に、醸造家たちは麦芽を減らしてホップを増やしたペールエールを作り始めます。ここからは一気にビール文化が発展し、ポーターや『ギネス社』のスタウトなんかも登場します。
ちなみにこのギネスブックで有名なギネス社ですが、創業者アーサーギネスは生産拠点となる醸造所を年間45ポンドで9000年のリース契約をしたことでも有名。少なく見積もっても契約更新まで、残り8700年ほど残っているので安心です。
ビール女子さんのビールにまつわるギネス世界記録の記事も面白いです。
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