セゾン
農家が夏の農作業の休憩時に飲むため、畑仕事のない農閑期に仕込んでいたビール。農繁期には季節労働者への福利厚生のため、ビールの提供という条件があったとか。
ヨーロッパのビール黎明期にはしばしば、こうしたご褒美ビール的な風習だったり、生水が飲めないから生ビール で水分補給だ!みたいな文献が散見されるけど、酔っぱらって殴り合いになったりとかトラブルもあったそうな。
日本でも仕事の昼休憩中にノンアルビール飲もう!みたいなメーカーの戦略があったけど、ノンアルでさえ根付かなかったのに、当時はずいぶん太っ腹な社会システムだったんですね。
<特徴>
セゾン酵母のフルーティさと豊かなホップ、のど越しの良さが特徴で、ドリンカビリティが高い。各農家で醸造していたため明確な決まり事はないが、夏に飲んでいたことを考えると腐敗防止のため、ホップを大量に使っていた農家は多かったでしょう。
<発祥>
ベルギーのワロン地方エノー州という、穀倉地帯を中心に作られる。
フランスではビエールドギャルド(貯蔵ビール)と言われる。
<ペアリング>
エールスタイルだけどどこかラガーっぽさもあるセゾン、比較的色んな料理に合わせやすい。ハーブの香りやホップの苦みを活かして、クセのある食材やどっしり系の肉料理などにも、柔軟にペアリングできて頼もしい。
□ゴーヤチャンプルー
□アナゴ姿煮
□ハーブや柑橘を使ったサラダ□山菜天ぷら
<私の好きなセゾン>
ファーイーストブルーイング KAGUAジャパニーズセゾン
日本の食材を使って日本のレシピでベルギーのブルワリーが作るという、異色のシリーズの黄色バージョン。材料もラベルも和を重んじているだけあって、和食との相性の良さが光る一本。